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 長らく英国政治の代名詞となってきた保守党、労働党による「二大政党制」が岐路を迎えている。イングランドで1日に行われた地方選で、国民が両党に厳しい審判を下した。躍進したのは、右派ポピュリスト政党「改革党」だ。

  • 「遠慮しない」ポピュリスト 英選挙戦の躍進で問われる「良識」

 「英国政治の新たな夜明けです。英国は我々によって、英国民を第一に考える国となります」

 2日、改革党にとって初めての首長となるアンドレア・ジェンキンス氏は当選後にそう語った。英国を「輝かしい過去」に戻すため、不法移民対策に取り組むという。

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英東部スカンソープで2025年4月29日、有権者とあいさつをする改革党のアンドレア・ジェンキンス候補(左から2人目)とファラージ党首(中央)=ロイター

有権者、2大政党から離反

 改革党は区割りが変わった二つの首長選で勝利。4年前は労働党が勝利した別の四つの首長選は労働党が三つ、保守党が一つ勝ったが、改革党はいずれも2位につけた。

 また、英公共放送BBCのまとめによると、23自治体の1600超の議席が争われた地方議会選で、改革党は677議席を獲得。保守党は317議席(676減)、労働党は99議席(186減)とともに惨敗を喫し、有権者が2大政党から離れたことがうかがえる。

 なぜ、地殻変動が起きたのか。記者は1日、ジェンキンス氏が勝利した東部・大リンカンシャー地域にあるスカンソープの投票所で、有権者の動向を探っていた。

 元製鉄所勤務のリチャード・…

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